関西保険通信

関西保険センター・保険相談|HOME > 関西保険通信

安全に夜間走行をするためには

夜間走行中に、暗闇から人が急に現れてヒヤリとしたり、いつの間にかスピードが出すぎてハッとしたりしたことはありませんか?

平成26年中に起きた交通事故件数のうち、死亡事故が占める割合を昼夜別にみると、夜間は昼間に比べ約3倍になります。夜間の死亡事故の状況をみると、人対車両が約半数を占め、単独事故が約2割と続きます。夜間走行は歩行者の発見が遅れて衝突したり、運転操作を誤ったりして死亡事故が起きやすい状況になると思われます。今月は、夜間の安全な走行について考えてみましょう。

(数字の出典:警察庁交通局「平成26年中の交通事故の発生状況」「平成26年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について」より)

〇 ロービームのままで走行すると、歩行者に気づくのが遅れ重大事故を起こしやすい 〇

ヘッドライトは、対向車が眩しくないよう右側の照射が絞られ、反対に歩行者やバイクを発見できるように左側へ照射を拡げています。ロービーム(下向きライト)の場合、照射範囲が約40mと短く、右側の歩行者に気づくのが遅くなる危険性があります。一方、ハイビーム(上向きライト)の場合は周囲を明るくし、照射範囲も約100mと遠くなるので、車道の左右にいる歩行者に気づきやすく危険を回避することが可能になります。

下図は、ドライビングシミュレーターを使い、40km/hの速度で走行中のドライバーが、車道の左側あるいは右側から飛び出してくる歩行者に、どれくらい手前で気づくのかを測った実験です。

40km/hで走行する場合、危険に気づいてから車が停止するまでに必要な距離(停止距離)は22mです。ロービームでは、左側から飛び出す歩行者に停止距離の約38m手前で気づくのに対し、右側から飛び出す歩行者には停止距離の約18m手前に迫るまで気づいていません。その時間的余裕は1.6秒と短く、歩行者が周囲の暗闇に溶け込んで気づきにくい状態の夜間では、衝突する危険性が高くなります。一方、ハイビームでは、左右とも停止距離の60m以上程手前で気づくので、ロービームにくらべると危険を回避しやすくなります。

0015

図:夜間走行でドライバーが歩行者に気づくまでの距離(40km/h 時)

〇 夜間に、いち早く危険に気づき、安全に走行するためには… 〇

夜間は昼間に比べ視機能が低下し、周囲が暗くなるほど色が見分けにくくなります。物の形の境目もぼやけて曖昧になり「何かある」と思っても、それが何なのかわかりづらい状況が生じます。加えて、一日の疲れでぼんやりしていたり、帰りを急いでいたりして事故を起こす危険性が高まります。夜間走行で、いち早く危険に気づき、安全に走行するためには、どうすればよいかを考えてみましょう。

  • 夕暮れになったら、早めにヘッドライトを点けましょう

平成26 年中に起きた死亡事故を時間帯別にみると、16 時から20 時の間が最も多くなり、全体の約23%※を占めています。夕暮れ時に「まだ明るい」と感じていても、周囲は段々と見えづらくなっており、事故が起きやすくなります。夕暮れになったら早めにヘッドライトを点けましょう。

  • 基本はヘッドライトをハイビームにして走行しましょう

夜間、遠くまでの視野を確保するために、基本はヘッドライトをハイビームにして走行しましょう。
ただし、先行車や対向車がいる場合には、相手のドライバーが眩しくならないようにロービームに切り替えましょう。また、霧で周囲が暗い場合は光が乱反射しますのでロービームにしましょう。

  • こまめにスピードメーターを確認しましょう

周囲が暗くなり、視界を流れる景色がほとんど感じられなくなると、体感している速度よりも実際の速度の方が速くなる傾向があります。

「そんなに速度は出ていない」と思い込まずに、適正なスピードで走行しているか、時々スピードメーターで確認しましょう。

  • 人通りが多い場所では、昼間よりスピードを落としましょう

夜間は「道路を通行中の歩行者」が死亡した事故の件数が昼間に比べ約3 倍※に増えます。ひとつの原因として、歩行者が酒に酔ってフラフラ歩き、車と接触するケースが考えられます。

人通りの多い商店街等を通過するときはスピードを落として走行しましょう。

  • 横断歩道ありの標識や表示が現れたら、いつでも止まれるようにしましょう

夜間は「横断歩道付近を横断中の歩行者」が死亡した事故件数が昼間に比べ約2 倍※に増えます。この先に横断歩道があることを示す標識や表示が現れたら、すぐにブレーキの上に足を移動して、いつでも止まれるようにしましょう。

※出典:公益財団法人交通事故総合分析センター「平成26年版 交通事故統計年報」より

 

夜間走行時は、基本はヘッドライトをハイビームにし、時々スピードメーターを確認して適正なスピードで走行しましょう

 

<今月のクイズ>

Q.) 車両が夜間走行するときは、「前照灯」をつけなければなりません(道路交通法第52条)。この夜間走行時の「前照灯」とは、道路運送車両の保安基準第32条にある「走行用前照灯」を指していますが、その「走行用前照灯」の意味を次の中から選んでください。

  1.  ハイビームのヘッドライト(上向きライト)
  2.  ロービームのヘッドライト(下向きライト)

A.) 1. ハイビームのヘッドライト(上向きライト) (道路運送車両の保安基準第32条において、ハイビームは「走行用前照灯」、ロービームは「すれ違い用前照灯」として定められています。)

出典:東京海上日動社 安全運転ほっとNEWS

保険の加入・見直しは「関西保険センター」にご相談ください!

ご相談・お問合せ : 072-837-2801 (月~土-9:00~17:30)
〒572-0085 大阪府寝屋川市香里新町19-5(アクセスマップ